自宅ネイルサロンであれば、休みや時間を自由に決められるため、働く自由度が高くなり働きやすくなります。しかしその一方で、開業資金が気になっている方もいるでしょう。本記事では、自宅ネイルサロンの収入はどのくらいなのかご紹介します。自宅でのネイルサロン開業を検討している方は、ぜひご一読ください。
目次
自宅でネイルサロンを開業した場合の収入
お店に出勤することなく、自宅でネイルサロンを開業したいという夢をもっている方は多くいるでしょう。自宅であればライフスタイルに合わせながら働けます。そこでこちらでは、自宅でネイルサロンを開業した場合の収入について紹介しましょう。
自宅サロンの収入
自宅サロンで営業する場合、当然ですが売り上げに準じて収入が決まります。頑張れば、月収50万円以上稼ぐ方もいますが、集客が見込まれない場合には収入が少なくなってしまうでしょう。また、自宅ネイルサロンでの諸経費は収入の1〜2割程度といわれています。たとえば、月30万円の収入があった場合、諸経費が3万円とすると月収は27万円ということになるでしょう。
自宅ネイルサロンの開業資金
自宅ネイルサロンで開業する場合、一番気になる点は開業資金でしょう。自宅であれば家賃が掛からないため、開業資金が5万円~30万円で済む場合がほとんどです。開業資金として掛かるものには、道具・備品の購入費・改装費・経営があります。また、軌道に乗るまでの運転資金が最低限必要となるでしょう。すぐに経営が軌道に乗るとは限らないため、アルバイトと併用するか、ある程度貯蓄しておくと安心でしょう。
自宅の改装資金
自宅をネイルサロンにする場合、できるだけ生活感が出ないようにするとよいでしょう。照明や壁紙を変え、椅子やテーブルをおしゃれにすることをおすすめします。自宅の改装資金は、一般的に20万円程度あれば改装可能です。
自宅ネイルサロンを開業する際の注意点
自宅ネイルサロンを開業する場合、いくつか注意点があります。経営が軌道に乗るよう、あらかじめ注意点を知っておくとよいでしょう。こちらでは、自宅ネイルサロンを開業する際の注意点について紹介します。
コスト管理に気をつける
月の売り上げが多くても、コストが大きければ当然月収は減ってしまいます。月に掛かるコストとして、消耗品費・広告費・光熱費・通信費があるでしょう。広告費は、お客さん集客の大切な投資でもあります。どのくらい広告費に投資するか見極めることも必要です。
また、自宅ネイルサロンを開業する場合、税務署へ届け出をすることをおすすめします。これは、税務署へ届け出ることによって、青色申告ができることと、最大65万円の控除ができるメリットがあるのです。光熱費や通信費を必要経費として計上できるため、節約効果につながります。
料金設定を安くしすぎない
自宅サロンでのメリットは、価格設定を自分で決められる点です。自宅ネイルサロンの収入は、メニューの料金によって大きく変化します。まずは、近隣のネイルサロンがどのくらいの価格設定で営業しているかリサーチすることも大切です。
自信がある施術は、料金を高めに設定するとよいでしょう。また、すべてを高く設定するのではなく、低く設定できる施術があれば低く設定することでオリジナルのメニュー表ができるでしょう。
自宅ネイルサロンのメリット・デメリット
自宅サロンには、自由度の高い働き方ができるというメリットがある一方で、集客面や安全面などのデメリットも無視できません。ここでは、自宅ネイルサロンを運営する上でのメリットとデメリットをご紹介します。
自宅ネイルサロンのメリット
自宅ネイルサロンは特別な資格がなくても、開業届を提出するだけで始められるのが特徴です。物件を借りて開業する場合と異なり、家賃や敷金・礼金、改装工事費用などの大きな初期投資が不要となるため、開業の敷居が低いといえるでしょう。
自宅の一部をお店として使用するため、たとえば水道光熱費も一般の店舗ほどかからず、コストを抑えた経営が可能です。必要な施術用テーブルや椅子、カラージェルなどの備品は3万〜10万円程度でそろえることができます。
また、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。営業日や営業時間を自由に設定でき、予約制にすることで予約と予約の合間に家事や用事を済ませられるため、時間を効率的に使えます。
小さな子どもがいる方や介護が必要な家族がいる方など、外で働くことが難しい場合でも、自宅なら仕事を続けられるでしょう。
さらに、通勤時間がないことで、その時間を施術の準備や技術向上のための練習時間、プライベートな時間に充てることができ、理想的な働き方を実現できます。
自宅ネイルサロンのデメリット
自宅サロンを運営するうえでもっとも注意が必要なのが、安全面への配慮です。知らない方を自宅に招き入れることになるため、多くの開業者は予約が確定してから住所を伝えるなどの対策を講じています。
プライベートと仕事の切り分けが難しいことも課題のひとつとなっており、仕事場と生活空間が同じため、つい仕事時間が延びてしまうこともあるでしょう。
衛生面の管理も重要な課題となります。とくに子どもやペットがいる場合は生活臭が気になりやすく、常に徹底した清掃が必要不可欠です。掃除機がけや換気はもちろん、壁拭きやトイレ掃除まで入念に行う必要があるでしょう。
集客面での課題も無視できません。安全性の観点から住所をネット上に公開できないため、SNSなどを活用した定期的なプロモーション活動が求められます。
また、住宅街に位置することが多いため、駅や公共交通機関からのアクセスが不便な場合もあるでしょう。サロンの雰囲気や施術内容などの情報を丁寧に発信し、お客様との信頼関係を構築していくことが大切です。
生活感はNG!店舗のようなネイルサロンを目指そう
自宅サロンを経営する際には、生活感を出すことは避けましょう。ネイルなどの施術を受けにくる方は、非日常感を求めて美容サービスを体感しているケースが多いのが特徴です。そのため、そこで生活感を感じてしまうと、施術を受けにくる方のモチベーションも下がってしまい、リピーターにならずに終わってしまう可能性もあります。
そのため、自宅サロンで開業する際には、生活スペースと施術スペースを必ず切り離して経営していくことが重要といえるでしょう。下記では、店舗のようなネイルサロンを目指すために重要なポイントなどを詳しく解説します。
落ち着く空間
店舗のようなサロンにするためには、お客さんがリラックスできる空間づくりが重要です。そのために、小物や仕事で使用するような品も、お客さんからなるべく見えないように収納しておきましょう。また、施術スペースは、常に適切な温度を保つというのもくつろげる空間として大切なポイントです。
音楽
BGMなどの音楽は、気分をリラックスさせるためにおすすめです。お客さんが求めている非日常感を味わいやすくなったりします。また、はじめて自宅サロンを体験する方は、緊張しやすい方が多いのが特徴です。そんな時にも、リラックス効果のある音楽は環境づくりにも最適でしょう。自宅サロンが大通りに近い場合などは、外の音が入ってきてしまう場合があります。そういった音を掻き消す目的でも音楽は重要です。
清潔感
店舗のようなネイルサロンを目指すためには、清潔感を意識することが重要です。自宅ということもあり、気が緩んでしまう場合があるかもしれませんが、ホコリや汚れは絶対にNGなので、常にきれいな状態を保っておきましょう。また、お客さんが歩く場所や目のつく範囲には、私物を置かないことも徹底して、生活感を出さないようにしましょう。
自宅ネイルサロンが儲からないといわれている理由
自宅ネイルサロンが儲からないとされる理由は、経営面での準備不足や競争の激化など、さまざまな要因が絡み合っています。ネイル技術が優れていても、それだけでは成功には至らない現実があります。これらの要因について詳しく見ていきましょう。
経営知識の不足と不明確なコンセプト
自宅ネイルサロンを開業する多くの方は、高い技術力をもっているものの、経営面での準備が不充分なケースがよく見られます。技術だけでなく、経営に必要な視点や知識が不足していることが、収益の低下につながっているのです。
よくある課題として、サロンコンセプトの不明確さが挙げられます。誰に対してどのようなサービスを提供するのか、そのビジョンが不明確なまま運営を始めてしまうケースが少なくありません。結果として、地域のほかのサロンと変わらない、特徴のないサービスになってしまうのです。
さらに、経営を軌道に乗せるためには、積極的な学びの姿勢が欠かせません。美容業界の成功事例を研究したり、経営の専門家からアドバイスを受けたりするなど、経営者としてのスキルアップを意識的に行うことが重要となるでしょう。
競合との差別化の難しさ
ネイルサロン業界の競争は非常に激しい状況にあります。2024年は前年比16.3%増と大きく増加しており、市場規模は1,390億円です。開業のハードルが比較的低いこともあり、新規参入が続いています。
このような環境下で、自宅サロンが競合店との差別化を図ることは容易ではありません。多くの場合、商業施設や駅前などの好立地にある店舗と比べると、設備面やアクセス面で不利な条件を抱えているのが現状です。
周辺のサロンがどのようなサービスを提供し、どんな価格帯で営業しているのかを把握することが重要となります。しかし、こうしたリサーチを充分に行わないまま開業してしまうケースが少なくないのです。
集客面での難しさ
自宅サロンが直面する大きな課題のひとつが、集客面での制約です。多くの利用者はサロン選びの際、施術の質や価格だけでなく、立地条件も重要な判断材料としています。
自宅サロンの場合、プライバシー保護の観点から、詳細な住所は公開できません。サロン予約サイトやSNSなどには「〇〇駅から徒歩何分圏内」といった形での案内となるでしょう。また、人通りの少ない場所にあることも多く、初めての来店に不安を感じる方も少なくありません。
お客様により安心してご利用いただくためには、リラックスできる空間作りが重要です。顧客情報の管理を徹底し、トラブル時の対応方法も明確にすることで、安全で信頼できるサロンであることを示していく必要があります。
成功のためのポイント
自宅ネイルサロンは、多くの方が開業しているため、ライバルが多いのも現実です。わざわざ自宅ネイルサロンを開業するのであれば、5年・10年と末永く経営したいでしょう。成功のためのポイントについて紹介します。
お客さん集客にはSNSを利用
現在、多くの方がSNSを利用しているため、お客さん集客にSNSを利用するとよいでしょう。SNSであれば、広告費が掛からずフォロワーが増えればその分、集客アップへつながります。ネイルアートや技術を高め、SNSにアップすることで、この人に施術してもらいたいと思う方が増えていきます。また、ネイルはトレンドも大切になるため、季節感や流行に合わせたメニューを載せるとよいでしょう。
客単価に気を付ける
自宅ネイルサロンは、諸経費が掛からないからという理由で、客単価を下げすぎて失敗する例が存在します。しっかり客単価をアップさせることとしては、専門分野や得意分野をつくる・ネイルサロンで働いてから開業することがあげられます。ネイルサロンで技術を磨きながら、お客さんを引き継ぐのもひとつの方法です。
リピーターを大切にする
一度来店したお客さんに、また来たいと思ってもらえるよう、ポイントカードを作成するのもひとつの方法です。また、何度か来店してくれたお客さんに対し、特典をつくるとリピーターになってくれる場合が多いでしょう。得点としては、ジェルオフ無料や500円割引などがあります。こうした特典をうまく活かし、リピーターを徐々に増やしていくことが成功へとつながる秘訣です。
レジは必要?スムーズな決済方法を確立しよう
次は、自宅ネイルサロンにレジは、必要かどうかについて、解説していきたいと思います。結論からいってしまうと、そこまで大きいレジは必要ないでしょう。最近だと、タブレットなどにレジアプリをダウンロードしてレジ代わりに使用している店舗も増えてきています。タブレットであれば、レジに比べて、費用もかからずにスペースを確保する必要もないため、おすすめです。
それだけでなく、レジアプリによっては売上げ管理や在庫管理までサポートしてくれるツールも存在しています。自宅ネイルサロンとなると、従業員を雇わないケースが多いため、事務処理なども1人ですべて行わなければなりません。そういった時に、このようなサービス機能が搭載されていれば、管理が簡単になるので、おすすめです。また、スムーズな決済方法を確立するためにも、カード決済のシステムの導入も検討していきましょう。
ネイルサロンの開業に必要な設備・道具は?
自宅ネイルサロンを開業する際には、必要な設備や道具があるということも覚えておきましょう。下記では、そんなネイルサロンの開業に必要な設備や、道具を詳しく解説していきたいと思います。
最低限揃えるべきもの
こちらでは、最低限必要なものを紹介していきます。揃えるべき道具として、ネイルジェル一式、ネイルマシン、お客さん用の椅子、施術を行うテーブル、テーブル用のライト、施術につかう道具一式、施術者の椅子、おつりなどが挙げられます。これらが揃っていて、初めて経営がスタートできる体制となるので、あらかじめ準備しておきましょう。
揃えておくとよいもの
揃えておけば、よりお客さんが快適に過ごせるであろうアイテムを紹介していきます。実際に揃えておくとよいものは、お客さん用のスリッパ、ひざ掛け、クッション、荷物かけなどです。このようなアイテムは、お客さんを思ってのアイテムとなるため、揃えておけば、お客さんの評価が高くなる可能性があります。
顧客を獲得するために、これらのアイテムを準備しておくことも重要なので、資金や時間に余裕がある方は、ぜひ揃えておきましょう。
経営に必要なもの
最後に、経営するうえで必要なものを紹介します。それは、宣伝用チラシや名刺、レジ又はレジアプリ、予約システムなどです。事前に準備してから経営をスタートさせましょう。
まとめ
本記事では、自宅ネイルサロンの収入はどのくらいなのか紹介しました。自宅ネイルサロンは、ライフスタイルに合わせて働けるメリットがありますが、その分大変なことも多くあります。もし自宅ネイルサロンでの開業を検討されている方は、開業前にさまざまなことをリサーチすることをおすすめします。自宅ネイルサロンの開業を検討されている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。
【FAQ】よくある質問
- ネイルサロンを開業するために必要な資格は何ですか?
- ネイルサロンを開業するために法的に必要な資格はありませんが、ネイリスト技能検定やJNA認定ネイリストの資格を持つと信頼性が増します。
- 開業資金はどのくらい必要ですか?
- 開業資金は、店舗の規模、内装、使用する材料によりますが、一般的には数百万円が必要とされています。
サポート企業によっては開業資金0円のところもあります。
- 店舗の立地はどのように選べばいいですか?
- 顧客の利便性を考え、駅近や商業施設内など人通りの多い場所を選ぶと良いでしょう。